遊戯王は読み合いのゲームじゃない




ドラゴンパーミの戦略について解説しようかと思ったんですが、ちょっと脱線。最近ツイッターで遊戯王の読み合いについて議論になったので、私の考えをまとめておこうかと。


最初に、遊戯王ははっきり言えば読み合いのゲームじゃないと思います。多くのカードゲームがそうですが、遊戯王も同じで、自分の勝ち筋を確立させ、それを相手より早く、そして確実に成功させるゲームです。そしてその過程において読み合いはそこまで重視されるものじゃないと思います。


なぜなら、相手の考えや戦略を想像するよりも、「自分がどうやって勝つか」を考える方が圧倒的に優先されるからです。これは他のカードゲームよりも圧倒的にスピードが速く、1kill率が高い所からも解りますし、ぶんまわし系のデッキやパターンに持ち込むのが早いデッキが強い所からも解ります。


そもそも読み合いのゲームであれば、相手の思考を読むために必要な「情報アド」が一番大事になるはずです。しかし、遊戯王において「情報アド」が一番であったことはありません。


前制限六部衆が、「門門結束カゲキ武者」と唱えればほぼ勝てたのと同じ。例え戦略がバレバレでも、それを崩すためのカードが手札に無ければ勝てません。逆に相手の戦略が何一つ解らなくても、「門門結束カゲキ武者」まで持っていけば、大体は勝てます。つまり、読み合いのウェートはそんなに大きくないのです。


そもそも相手のカードが100%解る人なんていませんし、100%にすることもできません。場や手札、墓地のカードから「大体こんなもんじゃないの?」って推理する程度です。そこから導き出される自分の戦略は、せいぜい警戒レベル。「手札にダムドがあるかもしれない」「手札にクロウがあるかもしれない」程度のものです。それ以上は望めません。そして相手のカードが解ったとしても、それを回避し、打ち崩せる方法が無ければ勝てません。

例えばウイルスカードがあります。魔デッキを打って相手のカード情報を見るのと、手札・場の1500以下のカードを破壊する方、どっちが重要視されるでしょう? 答えはもちろん「相手のカードを破壊する方」です。相手の情報を見るよりも、相手のモンスターを根こそぎ破壊し、勝ち筋を潰す方が重要視されるわけです。だから、相手のカードを見たいからと言って、ヒーロービート相手に魔デッキぶちかます相手なんてほとんどいません。もし仮に読み合いが重視されるゲームだとしたら、例え1枚も破壊できなくても相手の手札を見れる方が重要視されるはずです。


また、遊戯王が読み合いよりも、自分の勝ち筋を通すスピードや安定性を通す方が重視されるものの象徴として、強謙等のサーチカードの流行があると思います。本当に読み合いが重視されるゲームならば、デッキトップから3枚めくり、相手に情報アドを与え、なおかつ手札に加えるカードまで見せる強謙がこんなに流行るわけがないです。結局は相手にカードを見せるデメリットよりも、自分の勝ち筋に必要なカードを素早く確実に手札に加える方が優先されている訳です。

調律も同じ。例えクイックロンを加えて、調律効果でバルブやダンディが落ちて、戦略が完全に相手にばれてしまっても。あるいは魔法や罠が落ちて、デッキの派生やタイプがばれてしまったとしても、それでもより早く確実に自分の勝ち筋を確立させることの方が重視されているから、調律が採用されている訳です。訓練所からベストロサーチのガイザレスもしかり、増援からグレファーサーチのヴァーユ切りもしかり、読みあいよりも自分の勝ち筋を重視してる事がわかる場面が多いと思います。


あと、よく「プレイングが下手」とか言う人いますけど、私はプレイングが下手な人なんてほとんどいないと思っています。暴論ですが、逆にプレイングが上手な人もほとんどいません。なぜなら、そもそもプレイングは全て結果論であり、上記のような「読み合い」から生み出される不確実なものだからです。相手のカードを100%読むなんて不可能。100%読めるようになるのも不可能。それよりもデッキ構築において、自分の勝ち筋をはっきりとさせ、相手よりも早く確実に完成させることの方がよほど大事です。


それでももし仮に「プレイングがうまい」と評価できる人がいるならば、それは「どんな場面・状況からでも自分の勝ち筋を確立させられる人」のことを言うんだと思います。プレイングのうまさは相手の伏せカードを読むよりも、自分の勝ちパターンを確実に実行させられるか否か、と言う事です。だからプレイングを磨こうと思うのならば、自分のデッキを見直し、「どうやって自分の勝ちパターンを成立させるか」という思考を常に持つ事が大事だと言えます。


もちろん、読み合いを全否定するつもりはありませんし、全く不要だとも言いません。読めれば強いですし、読み合いが生じる場面もあります。ただウェートの問題で、遊戯王における読み合いの必要度は決して高いとは言えず、遊戯王を「読み合いのゲームだ」とするのは無理があるだろうってことです。

まあこの他に「アドバンテージ論」があるわけですが、「アド損をしないようにする」って言うのは自分の負け筋を潰すためのもので、「アドが取れる」って言うのは自分の勝ち筋を伸ばすためのものなんで、結局は同じ事です。







長々と書きましたが、これが私の持論。遊戯王がスピードか確実性(安定性)があるデッキが強いのは、上記のような考えが働いているからだと思います。

最後に、この文章の中から一番大事なことを抜きだします。

『プレイングを磨こうと思うのならば、自分のデッキを見直し、「どうやって自分の勝ちパターンを成立させるか」という思考を常に持つ事が大事』

の部分です。プレイングは「勝ち筋」を通すためのもの。これを常に実行し、勝ちパターンに持ち込んで勝利をもぎ取れる人が、「プレイングが上手な強い人」になるんだと思います。





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この記事へのコメント

KIZER
2011年05月03日 13:43
カードゲームの真理ですね。
遊戯王では情報アドが重視されない理由としては妨害カードの少なさ、対応できる範囲の狭さなどが挙げられますね。
情報アド自体は不完全情報ゲームである以上とても重要なファクターの一つではあります。
相手の札が分かれば評価値の最も高い行動を取ることが可能なため無駄なプレイをすることがない=勝ち筋を最適化できるということになりますからね。
ただし、遊戯王は情報アドを取るためのカード自体が弱いので情報アドを狙うよりもある程度妨害されることを前提に動いたほうが強い動きになるんですよね^^;
garyuu
2011年05月03日 21:03
そうなっちゃうんですよね。どうしても情報アドよりもフィールドアドとかの直接的に解りやすいアドバンテージの方が優先されますし、自分の勝ち筋を確立させるための行動に走った方が強いんですよね。妨害行為もピンポイントメタは流行らないんで、解りやすい。だからますます「読み」のウェートは下がるという……。

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